宣布会柔進館 大東流合気柔術、無限神刀流居合術、無限流柔術
山本一刀齋角義直門 宣布会柔進館














 筆者 山本ツヤ子

 人は誰でも輝いているもう一人の自分に出逢うことがある。そんな輝きのある時間と空間を共有出来得た私は最も幸せであった。
 昭和46年〜3年余り、宅の玄関横壁に暴力団員の更生相談所の木板(横30cm×縦1m)が取り付けられた。
 その日のうちに「浮舟の父さん、うちの親分がどうゆう事なのか話を聞いてこい、というので伺ったんです。」3人の若い衆は元気よく言うのであった。
 親分とは面識のある夫は、静かに「マア上がれ、お茶でも飲んでゆっくりしていくんだナ・・・・」と一時の沈黙を置いて、話しはじめた。
 「君等はこの道に入るに付いて、それ相応の事情があったろう。又、任侠映画に刺激を受けて、親分・子分の盃となった者も居ると聞くが現実は厳しいんだヨ。世間は君等を色眼鏡で見るからナ。ヤクザ稼業と見られるだけで非難の的になる。
 若い内は純粋だから、自分は真っ当に生きていると思っていても一般社会では、その行いを認めてはくれない。気が付いたときは自分ではどうにもならないところに居る。その道から足を洗いたいと事あるごとに思い悩むようになった人間には、更生の芽が出てきたんだヨ。
 そんな時に相談にのれるよという趣旨なんだ。暴力追放推進協議会と警察署の中にある機関とタイアップしてもう実績もあるんだヨ。
 君等は、これからどんな修羅場に出逢うかもしれない。相応の覚悟は出来ていようが、常に身体を鍛えておきなさい。身体に自信が持てると精神がシャンとしてくるもんだヨ。
 この稼業の中にあっても「常識からはずれるナ」「人の嫌がることはするナ」「骨の髄まで腐るなヨ」「父さんは座って半畳、寝て一畳の広さがあれば身体を鍛えることが出来ると思っているヨ」このように四股を踏むこともできるし、と言って、柱に両手を当て、足腰の動きをするのであった。
 若い衆は「父さん、自分らにも武道入門させてくれませんか?」と言うのです。「いやいや、任侠道から足が洗えたら、そのときの相談だよ」と言って温かく笑った。

 そして帰ったら「親分に社会学を教わってきたよと言えばいいヨ」と剛毅な夫の語り口は色あせることなく、昨日の事のように想い偲ばれるのである。










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