宣布会柔進館 大東流合気柔術、無限神刀流居合術、無限流柔術
山本一刀齋角義直門 宣布会柔進館














 筆者 山本ツヤ子

 人は誰でも輝いているもう一人の自分に出逢うことがある。そんな輝きのある時間と空間を、共有出来得た私は、最も倖せであった。
 もう40年も前の遠い日の出来ごとが、昨日のことのように想い出される。買い物帰りの私は、左手に風呂敷包みを大切にかかえ、宅の玄関近くにさしかかると大きな男が、ニューっと前に立ちはだかった。
 行く手を遮られて驚いた私は、咄嗟に「ナメタラ、イカンゼヨ」芝居の啖呵よろしく右の平手が飛んだ。その勢いに大男は一瞬ギョッとした様子であったが、かえって、男のエネルギーに拍車がかかり、太い二本の腕はドンと押さえこみにかかった。ズルズルと押し出しのごとく後方へ後方へと力一杯抵抗した私の背は、ドスンと宅の玄関に勢い余った力でぶつかった。次の瞬間、飛び出して来たのが腕に覚へありの夫、その人であった。私の目の前であの大男が瞬時に組み伏せられ、小さくなった。何度も何度も、「悪かった。悪かった。スミマセン。スミマセン。」と言い乍、暗やみに消へて行った。
 その情景が忘れられない。そして、「母さんは正当防衛だからよいが、武道家の腕は凶器にもなるのだよ。」とその時夫が言った大切な言葉が、私の胸に温かく、懐かしい。










当サイトの写真・記事・ロゴ等について、柔進館本部の許可なく転載・利用することを禁止いたします。
Copyright(C) 宣布会柔進館 All Rights Reserved.
※フォントサイズ「中」推奨